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rena's world story★a.n.r.r.y
第9章 message

……さっき差し出されたハンカチを、夏輝がそっと渡したけど

もう役に立たない程に、陽菜は両手で顔を覆い号泣していた。


「………っ」


……もう、だめだった。

心が震えて、想いが一気に込み上げてきて

抑えていた全てが溢れ出す。



「 “ あの日から、10年以上の月日が経って
私も大人になったけど……まだまだ未熟です。

周りの素敵な人達に支えてもらって、助けてもらってばかりです ” 」


「………」


「 “ そんな私が、ずっと先を走り続ける蓮くんに
伝え…たい、ことは…… ” 」



ヒカルの手紙を読んだ時と同じように、その言葉が途切れて



「………!!」




……ヒメの瞳から


一筋の涙が、静かに頬を伝った。




「 “ 私は今、心から笑っています

大切な人が、傍にいてくれるから

大好きな人が、寄り添ってくれているから ” 」


「………っ」


「 “ 蓮くん、ありがとう

心の優しい、キラキラと輝く蓮くんに出逢えたから

私は、生涯を共にしたい大切な彼と出逢うことができました ” 」


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