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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……全身に電気が走ったように
一瞬にして体が動かなくなってしまった。
「美和がいるから、俺は強くなれる」
「………!」
「お前を守りたいと思うし、幸せにしたいと思うから
その “ 想い ” が力になって……俺自身を高めてくれるんだ」
「………っ」
「……今の俺があるのは、美和のおかげだ」
……どうしよう
どうすればいい?
胸がいっぱいで何も言葉にできない。
真っ直ぐ見つめるヒメも、周りの夜景も
あっという間にボヤけてしまって……涙が自然と溢れてくる。
「………!」
一粒の滴がポタッと落ちた、私の左手に
ヒメの右手がそっと重なった。
「美和。
蓮が、 “ ありがとう ” って」
「………!!」
「美和の綴った想いに、あいつは感謝してる。
……メッセージは、ちゃんと伝わったよ」
「………っ」
「俺の願いでもあったから
叶えてくれて、ありがとな」
……そう言ったヒメの左手が、もう片方の私の手を握ったけど
涙が止まらなくて、私は顔を上げる事が出来ない。
……繋がれた両手に、ヒメの温もりが伝わってくる。