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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「……どうして、分かるの?」
「………!」
「蓮くんが感謝してるって……伝わってるって……
どうして?」
震える声を絞り出してそう聞くと
私の両手を強く包み込んで、ヒメは微笑んだ。
「分かるよ。
俺とあいつは繋がってるから」
「………っ」
「目に見えなくても、言葉を交わさなくても
……俺達は繋がってる」
……私のメッセージカードを、ヒメは見たのかもしれない。
蓮くんとヒメが、直接会話をしたのかもしれない。
……それでも
今のヒメの言葉が嘘ではないことが、すぐに分かった。
“ どんなに強く想っていても
愛情を形として捉えることはできないよな
……それは
想い合ってる本人達が、一番見え難いんだ ”
……去年の春、この場所で
ヒカルちゃんを追いかけたヒメの後に、駆けつけてくれた彼が
不安で押し潰れそうな私に、力強く伝えてくれた。
“ だけど、俺には見えるよ。
美和とヒメの絆が、この目にはっきりと映ってる ”
“ 心配するな。
お前達が不安になったら、俺がいつでもその糸を繋いでやる。
永遠なんだって、証明してやるから。
……何度も、何度でも ”
「………っ」
── その絆は、ヒメと蓮くんも同じなんだ……