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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「美和」
涙腺が壊れてしまって、全てが滲んでしまうけど
真剣な表情に変わったヒメが……真っ直ぐ私を見つめた。
「今の俺にはもう、迷いは無い」
「………!」
「これからの未来を予測することはできねぇけど
……大事なもんを、こうして手にしているから」
「………っ」
「今は、自分自身に誓える」
……キラキラと輝くヒメが眩しくて、クラクラするのに
心臓が止まってしまいそうで、瞬きすらできない。
「……想いを口にするのが下手な俺が、今まで伝えてきた場面は
お前が泥酔してたり、衝動に駆られたり……そんなのばかりだったよな」
「………!」
「……だから、初めて言う言葉じゃねぇんだけど……」
そう言って息を吐いて、顔を上げたヒメは……
私を見て、いつもの笑みを浮かべた。
「美和が笑ってくれることが、俺の全てだ。
……俺の生きる意味は、それだけでいい」
「………!!」
「お前は俺が必ず幸せにする。
一生守り続ける」
「………っ」
「 “ 姫宮 美和 ”
……悪くねぇだろ?」