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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……ここにハリセンがあって
ヒメが漫才師のツッコミ役だったら、私は間違いなく叩かれていたと思う。
「……そうだけど、そうじゃねぇだろ……」
ますます頭を垂れるヒメをみて、込み上げる想いが爆発してしまった。
「………っ」
……あのね、ヒメ。
今夜私は酔っていないから、本当は分かってる。
だけどドキドキが凄くて、キュンキュンが激しくてどうにかなってしまいそうなの。
……だって、言葉にすることが苦手な貴方が
想いを伝えるなんて滅多にしない貴方が……
“ 美和が笑ってくれることが、俺の全てだ。
……俺の生きる意味は、それだけでいい ”
「……っ ヒメ……!」
……伝えなきゃ。
ヒメが今伝えてくれたのは、私の夢で、願いで……
「ヒメ聞いて。
あの、あのね……」
「………」
「私ね、蓮くんのメッセージ、カードに……っ」
─── 大切な人。
貴方は、生涯を共にしたい大切な人。
……そう書いたんだよって伝えたいのに、涙が溢れて言葉が続かない。
それでも、ヒメがゆっくりと顔を上げて
その深い瞳を見たら……
「………っ」
“ お前は俺が必ず幸せにする。
一生守り続ける ”
「……好、き」