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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……心の声が、零れるように
私の中から全てが溢れ出す。
「……好き」
「………!」
「ヒメ……好き、です」
「………っ」
「……っ大好き……っ」
……違うでしょ、美和。
ヒメが、“ 悪くないだろ? ” って聞いてくれたんだから
こんな私でよければお願いしますって
こんな私でいいなら、姫宮美和になりますって
そう言って伝えなきゃいけないのに……
「……わ、わたし、私ね。
ヒメがだ、大好きな、の」
「………っ」
「……う、嬉しくて、ご、ごめんなさ……っ」
……まるで子供だ。
でも、もうどうしていいか分からない。
泣きじゃくって、声が途切れ途切れになってしまって
涙が止まらないから、きっと酷い顔になっているのに……
……と、その時
「………!」
顔を覆いたくて、離そうとした両手を
ヒメの両手がぐっと押さえつけた。
「……美和」
「………っ」
……視線を落としたまま
ヒメの額が、私の右肩にコツンとぶつかった。