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第10章 愛してる

“ 寝不足の原因は仕事だけじゃねーだろ。
何か他の理由で無理してる ”

“ ……別に、他の理由なんてないよ。
毎日楽しいから、いつも元気だもん ”

“ どこが元気なんだよ。
今にも泣きだしそうな顔しやがって……嘘つくんじゃねぇよ ”

“ ……嘘ついてなんか… ”

“ 俺を見縊るな。
お前のその顔も今の言葉も、表面だけだってすぐに分かった ”



─── 10年後、突然会社に現れたヒメは

一条さんのことは何ひとつ知らないのに、私の現実に気付いてしまった。



“ ……助けてって言えよ。
一度過去の全てを忘れて、今の正直な気持ちを言って。

ここには今俺しかいないから、誰にも聞こえない ”



─── 鮮やかに、まるでヒーローのように

諦めていた私に光を照らし、暗闇から助け出してくれた。






……決められない、私の勝手な想いが

ずっと長い間苦しめてしまったけど



……それでも、ヒメは……





“ ……俺は美和が好きだ。

何で美和が好きかっていうと……蓮と一緒に幸せになる美和が好きなんだ。

その想いは、高校時代から変わっていない ”



“ だから今

何もかもふっきれて、また蓮と付き合える美和を見れて

俺もお前と同じくらい、幸せ ”




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