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第10章 愛してる

「……れ、ん」



……ヒメが、私を抱きしめる前に

私は両手を広げて、その愛しい体を強く包み込んだ。



「…蓮……っ」


「………！！」


「蓮……、蓮、大好きよ」


「………っ」


「私を好きになってくれてありがとう。
私が愛する人は……この先もずっと貴方しかいないわ」



……自分の気持ちを抑えて

相手を想い、綺麗な心を持つ貴方に

幸せだと思ってもらえるように、私のできることは何でもしたい。


……貴方が、この先もずっと笑顔でいてくれるように

美しい貴方に、少しでも近付けるように……



「……今、私泣いてるけどね。
すっごく、すっごく嬉しいんだよ」

「………っ」

「 “ 姫宮美和 ” って……超かっこいいね♡」


そう言って笑ってみせて、ぎゅうっと力を入れて抱きしめると

ヒメもゆっくり私の背中に手を回した。

……ドキドキ、する。


「……ねぇ、今、聞こえた？
分かった？///」

「………！」

「同じ名前だけど、蓮くんのことじゃないよ？
“ 初めて ” ヒメのこと蓮って呼んだけど、蓮くんじゃないよ？」



「………」