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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
~~なんで決め付けるのよって……言おうとしたけど
「………!」
体を離して向き合ったヒメの目が赤くて、体が固まってしまった。
……じっと見つめるその綺麗な瞳に、吸い込まれそうで
トクントクンと、再び鼓動が早くなる。
「……ねぇ、ヒメ。
私、今夜は喧嘩したくない」
「……同感」
「………!」
「……つーか、また呼び方戻ってるし……」
拗ねた声で、ヒメは視線を逸らしたけど
近付いてきた彼のおでこが、私のおでこにぶつかった。
……ふわふわの前髪がくすぐったくて、ドキドキする。
「……ヒメって、亭主関白になるのかな」
「……は?」
「だって、飲み会に行くなって言うから。
妻として他にもダメなことってあるの?」
「………」
……そうじゃねぇよと、小さい声で呟いたヒメ。
私の頬を撫でる指がとても温かくて
また涙が溢れて、その手を濡らしてしまう。
……幸せな気持ちが、あとからあとから溢れてくる。