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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「飯!風呂!とか、言ったりするのかな」
「……お前。
うちの可哀想な親父を見たことねぇの?」
「………!」
「女とは思えない2人に、完全に主導権奪われて。
そんな家庭で育った俺が威張れると思うか?」
「……ぷっ///」
クスクス笑う私を見て、ヒメもふっと微笑んだ。
……こんなに優しい笑顔を
これからはもっと近くで……隣りで見続けることが出来るんだ。
そんな幸せが本当にあるのかな。
ヒメにだったら、飯って命令されても喜んで作っちゃうよ。
「……美和」
これから訪れる未来を想像して、1人で楽しむ私の顔を
ふわっと包み込むと
「………!」
ヒメの唇が、ちゅっと私の額にキスを落とした。
「………っ///」
……えっ!?
突然だったから、瞳を閉じるのも忘れてしまう。
心臓がバクバクして、目がチカチカしてる。
「ヒ、メ…」
「……もっと」
「………!」
「もっと笑えよ、美和」
「………っ」
「……呼び方は、何でもいいから
美和の笑顔が見たい」