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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
突然
私の後方から、ヒメの言葉をかぶせるように
ガタタッと何かが崩れる音と共に
聞き慣れた女性のハスキーボイスと、男の人の声が響き渡った。
「「………」」
体がビクーッと逆立った後、氷のように固まる。
……それは、目の前にいるヒメも同じで
わなわなと震える彼が、顔を斜め上に上げると……
「~~誰だ今俺を突き飛ばした奴!! 殺す気か…」
「ちょっとユーリあたしの足踏んでる!
さっさとどきなさいよ!」
「いやいや待て待てマジで落ちるから!
~~おい夏輝! なんとかしろよ!」
……叫び声のする方向へ、私も恐る恐る振り返ってみる。
その付近は照明が消えているから、手前の方しか見えないけど
……半2階のロフト席から、ユーリ君の体が半分飛び出していて
その足の下から、ヒカルちゃんが脱出しようと試みていた。
「………!?」
……ど、ど、どうしてこ、ここに……っ
頭がパニックを起こしていて、真っ白になってしまう。