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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「……どの国の言語でも、愛の告白は素晴らしいな」
ポケットから取り出した煙草を咥え、片手を添えて火を付けると
夏輝さんがそう呟いて、ロフト席の階段付近へ移動する。
「それも普段クールを気取ってる口ベタが言うんだから
格別だな、ヒメ」
「………!!」
「お前の “ 生きる意味 ” を知って、俺は最高に感動してるぜ」
階段の1段目に右足をかけたまま、固まってしまったヒメ。
見下ろしながらふっと笑った夏輝さんが、持っていたライターを後ろに投げると
「激しく、同意」
クロスラインの入った白のニットネクタイを、緩めながら
もう片方の手でライターをキャッチしたユーリ君が、ニッと白い歯を見せた。
「しかも、その心が彼女で溢れたのは
“ 熱過ぎるメッセージ ” を読んだせいなんですよね~?♪」
「~~~!!」
「つまり、お前のプロポーズに俺達が大いに貢献したってことか。
感謝してもらわないとな~~」
……遠慮や躊躇なんて皆無のはずのヒメが、一歩後ずさりしたけど
煌びやかなオーラを纏って、煙草をふかす2人が階段を降りていく。
……まるで何かの仕返しをしたかのように
夏輝さんとユーリ君の顔は、勝ち誇った表情をしていた。