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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……ヤス君がスポンサーと言った2人と、もう1人は
男勝りで、強くて、凛としていて
女の私から見てもかっこいい、私が憧れてる3人。
「………!」
私のいるステージへ、ゆっくりと近付いてくる彼女達は
今夜私が寂しい思いをしないように、さっきまでここで一緒に飲んでくれていた。
……きっと、ヒカルちゃん達のように
いつものように、明るい笑顔だと思っていたのに……
「………っ」
……その姿が、滲んでボヤけて見えてしまうのは
私の目に、また涙が溢れてしまったからだ。
……だって……
「……美和ちゃん」
……いつもは、“ あなた ” とクールに呼ぶ優香さん。
私の右手をそっと握った彼女の目から、大粒の涙が溢れている。
「……ずっと、ずっと
この瞬間を待っていたわ」
「………!」
「だって、姫宮くんを幸せに出来るのは
貴方しかいないもの」
「………っ」
「彼の生涯の相手は、美和ちゃんしかいないもの……」
「……っ 優香、さ…」
声が掠れてしまう私の前で
もう片方の手で、優香さんが子供のように目を擦った。
「今まで生きてきた中で、1番嬉しい」
「………っ」
「良かったね、美和ちゃん」