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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
良かったねと言った優香さんが、優しく微笑んだから
更に熱い想いが込み上げてきて、頷く事しかできなくて
……と、その時
「………!」
優香さんと繋がった手とは反対の、私の左手を
ふわっと温かい手が包み込んだ。
「……もう、言葉はいらないね」
「………っ」
「言葉は、何もいらない」
そう言ってふっと笑った、麗子さんの頬に
一筋の涙が伝って落ちていく。
「今、美和ちゃんが幸せを感じているのだとしたら
それは、美和ちゃん自身がここまで頑張ったからだよ」
「………!」
「迷って、悩んで……それでも貴方はいつも自分に真っ直ぐだったから
だから、蓮は美和ちゃんを好きになったの」
「………っ」
「蓮が心から愛する人だから
私も、美和ちゃんが大好きなのよ」
……心臓が破裂して、涙腺が崩壊してしまった。
涙が止まらない私を、麗子さんが笑いながら胸に引き寄せる。
「脱会なんてさせるもんですか。
“ 家族 ” は永久会員って、入会規約で決まってんのよ」
「……っ 麗子さ……っ」
「あのバカ、お姉様に楯突くなんて100万年早いわ。
根性叩き直してやらなきゃね」