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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「アンナさーん、帰らなくて大丈夫なの?」
ロフトの上から、ヒカルちゃんがぶんぶん手を振っている。
……いつもの明るい笑顔だけど、その目が真っ赤だ。
「実家に連絡して、終電までは許してもらった!
グズついてるってのは冗談で、旦那と一緒に客間でスヤスヤ寝てるらしいんだ♪」
「よっしゃ!
じゃあヤス、予定通りグラスは11個で……あ、蓮と瑠璃さんで13か!」
「了解、すぐ準備する」
バーカウンターに入る、ヤス君も片手で目頭を押さえていて
いつものクールな表情に戻った優香さんが、ハンカチを差し出した。
ロフトから降りてきた陽菜ちゃんと千夏ちゃんが、目を輝かせて
両手を広げた麗子さん目掛けて走り寄ってくる。
「………っ」
─── ねぇ、ヒメ。
ユーリ君と夏輝さんに肩を抱かれて、言い合いを続けている貴方の瞳にも
星のようにキラキラした輝きが、きっと映っているよね。
……みんなが笑顔で
みんなの瞳に、涙が溢れていて
こんなにも、この場所が愛で溢れているのは
……みんな、ヒメのことが大好きだからなんだよ……