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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「あ、奥さん~♪」
アンナに背中を押されて、螺旋階段の下にいる彼らの元へ1人で近付いていくと
最初に私を見つけたユーリ君が、太陽みたいな明るい笑顔になった。
「ごめんな、俺らお邪魔虫で。
プロポーズを覗き見されるなんて、普通ありえねぇよな」
「………!」
「だけど今、すっげーー嬉しいんだよ。
だから許して♪」
キラキラした大きな瞳は、千夏ちゃんとよく似てる。
ヒメの髪をグリグリする彼が、嬉しいと言ってくれた事に感激してしまって
胸がいっぱいで頷くことしかできなくて……
それでもユーリ君は笑いながら私の右肩を叩いて、メインフロアへと歩いていった。
「悪かったな、超イイ所で飛び出して」
煙草を咥えたまま、ヒメから離れた夏輝さんが近付いてくる。
「だけどこれで、あんたは完全に堕ちたんだ。
煩くて暑苦しい、ディープな仲間達の中に」
「………!」
「……あんただけ、どこか疎外感を感じてたと思うけど
今までもこれからも、そんなもん一切思う必要ねぇからな」
「………っ」
その優しい言葉に、熱い想いが込み上げてきて
ふっと笑ったその優しい表情に、心臓が止まりそうになってしまう。
「あと、“ さん ” 付けやめてくれ」
「………!」
「俺も同い年だぜ、美和」