この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
……ヒメの言葉の途中で、後ろにある入口の扉が開いた。
「………!」
姿が見えたのは、タキシードの上着を腕に掛けた蓮くん。
ネクタイも外したラフな格好だけど……短髪の黒髪はいつもみたいにビシッとスタイリングされている。
「……あ、れ」
「………!」
「ヒメと……」
目の前のヒメが、手を外してそっと体を横に移動すると
……私と真っ直ぐ目があった蓮くんが……ふっと微笑んだ。
「── 美和」
「………っ」
「……なんか、居てくれる気がしたんだ。
皆から届くメールがやけにテンション高いから」
「……蓮、く…」
「……って。
正直言うと、心臓すげー跳ねてるけどね」
……どうしよう、私の心臓は爆発してしまいそうだ。
って、さっきからずっと同じ状況なんだけど……もうドキドキが最高潮で
緊張と嬉しさで、パンクしそうな胸を押さえてしまう。
「……お前だけ?」
いつものクールな顔に戻ったヒメが、そう言って私の隣りに並ぶと
蓮くんは笑いながら首を横に振った。
「まだまだ飲み足りないって言ってたし、連れてきたよ」
「………!」
「……瑠璃、おいで?」