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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる

前開きの扉に手を掛けて、蓮くんが優しく呼び掛けると
ノースリーブのシンプルなワンピースを着た、背の高い女性が
……私と同じで、両手で裾をきゅっと掴んだまま蓮くんの一歩前に出た。
「………!」
そのタイミングで、私の肩に腕を回したヒメ。
半分持ちあげられるように、一緒に小階段を上がっていく。
……チラッと見えたヒメの横顔も、どこか緊張しているように思えた。
「………っ」
微笑む蓮くんに背中を押された彼女は、アクセサリーはひとつも身につけていないけど
細くてスラッとしていて、肌の色も白くて
顔が小さくて、目元や唇も、何もかもがキラキラしてて……
すごい、本物のモデルさんみたい……!
胸がドキドキする!
し、心臓が止まりそうなくらい……
「き、綺麗……!」
「「「………!」」」
思わずそう呟いてしまった私を見て、3人が目を見開く。
だって、本当に……
「……すごく、き、綺麗で、す……っ」
「………っ」
「わ、私……あの……」
……そこまで言ったけど
声が詰まってしまって、救いを求めるようにヒメの腕を掴んだ。
~~って私!
名乗りもせず、何突然発言してんのよ……!

