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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる

「ご、ごめんなさい、私…」

「── 料理を、教えていただけま、すか」

「………!」


……私と同じ、途中で声を途切れさせながら

顔を真っ赤にした彼女が、もう一歩私に近付いた。


「姫宮さんから
美和さんの作るご飯がすごく美味しいって聞いて」

「………!!」

「わ、私、料理は好きなんですがいつも同じものばかりで……
もし、美和さんが良かったら……」

「………っ」

「って、いきなり、ごめんなさい。
胸がいっぱいで……」



両手で顔を覆う彼女の後ろで、蓮くんがふっと視線を逸らした。

……蓮くんと同じで、瑠璃さんと同じで

私ももう胸がいっぱいで、その華奢な腕にそっと手を触れると



「……会えて、嬉しいわ」



少し体を屈めた瑠璃さんが、涙声でそう言って

ふわっと私の体を抱きしめた。



「美和さん、ずっと貴方に会いたかった。
私、貴方に会ってお礼を言いたかったんです」

「………っ」

「ありがとう、美和さん」


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