この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「ご、ごめんなさい、私…」
「── 料理を、教えていただけま、すか」
「………!」
……私と同じ、途中で声を途切れさせながら
顔を真っ赤にした彼女が、もう一歩私に近付いた。
「姫宮さんから
美和さんの作るご飯がすごく美味しいって聞いて」
「………!!」
「わ、私、料理は好きなんですがいつも同じものばかりで……
もし、美和さんが良かったら……」
「………っ」
「って、いきなり、ごめんなさい。
胸がいっぱいで……」
両手で顔を覆う彼女の後ろで、蓮くんがふっと視線を逸らした。
……蓮くんと同じで、瑠璃さんと同じで
私ももう胸がいっぱいで、その華奢な腕にそっと手を触れると
「……会えて、嬉しいわ」
少し体を屈めた瑠璃さんが、涙声でそう言って
ふわっと私の体を抱きしめた。
「美和さん、ずっと貴方に会いたかった。
私、貴方に会ってお礼を言いたかったんです」
「………っ」
「ありがとう、美和さん」