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rena's world story★a.n.r.r.y
第10章 愛してる
「………っ」
ヒメから離れて
思いっきり背伸びをして、ぎゅうっとその体に腕を回す。
……全ての想いが、涙となって溢れ出す。
「瑠璃さん、ご結婚おめで、と……ございます」
「………っ」
「……っ 私の方こそありがとう。
瑠璃さんに出逢えて、私幸せです……」
ほんの少し腕の力を緩めて、そっと斜め上を見上げると
天使のような頬笑みを浮かべた瑠璃さんが、私を見て涙を拭った。
……なんて綺麗な人なんだろう。
キラキラした瞳に吸いこまれてしまいそうだ。
「……お前、今日泣きっぱなしだな」
後ろからそんな笑い声が聞こえて
私の事かと思って振り返ったけど……ニヤニヤするヒメは蓮くんを見ていた。
瑠璃さんが後ろを見ると、蓮くんも不機嫌そうにヒメを見返している。
「泣き過ぎて水分足りねぇだろ」
「……あぁ、そうだな。
満タンに補給する為の酒、常備できてんの?」
「ヤスが客に出さない1本を空けるって言ってたぜ」
「じゃあそれキープする。俺1人で…」
そこでピタリと止まった蓮くんとヒメが、同時にメインフロアに視線を向けると
「……おい、ヒカルが手に持ってるボトル……」
「~~あのバカ女!!」