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rena's world story★a.n.r.r.y
第11章 片想いの行方 ‐ eternally -
「……ヒメ」
玄関のドアを閉めて、革靴を脱ごうとした俺の背中から
ぽつりと小さな声で美和が呟いた。
……今の叫びと蹴っ飛ばした音で起きたらしい。
「どうしたの? 大丈夫?」
「………」
「ごめんね、おんぶしてもらって・・・下りるわ」
……その声は泥酔の時は違い、落ち着いていて
体を屈めた俺の後ろで、美和は静かに履いていたショートブーツを脱いだ。
「………?」
視線を伏せたまま、何故か目を合わせようとしない。
「お前、二日酔いは?」
「……大丈夫、みたい」
「あれだけ飲んでたのに珍しいな。
限界を超えてハイになってんじゃねぇか?」
「……ヒメはどうなの?」
「すげー頭痛。吐き気はねぇけど…
……!」
俺が喋ってる途中で、美和が掛け足で廊下を進もうとしたから
パシッとその腕を後ろから掴む。
「おい、なに焦ってんだよ」
「~~! あ、焦ってなんかない!
離してよバカ!」
「……あ?」
「シャ、シャワー浴びるから……」
顔を真っ赤にしながら、美和がぶんぶん手を振って俺から逃れようとする。
……今、バカっつったよな?
なんだその意味不明な態度。