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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
時刻は間もなく夜の8時。
高層階から見える夜景がキラキラと輝いて
窓際に立ってその光を見つめていると
「………!」
突然、玄関の扉の開く音が聞こえて
廊下から足音が近付いてくる。
……えっ!?
インターホン鳴った!?
鳴ってないよね!?
「……う、うそ、早…っ」
携帯を握りしめたまま、慌ててリビングの入口に駆け寄ると
「………!」
ドアノブに手を掛けようとしたタイミングで
手前に大きく開かれた扉の向こう側から……葵が姿を現した。
「………っ///」
「……悪い、当たったか?」
久しぶりの低い声に、背中がゾクリ。
あと1歩前に出てたら、葵の言った通りドアにぶつかっていたと思うけど
「う、ううん大丈夫」
「あっそ」
「お、お、お帰りなさい」
「………」
センスのいい高級スーツ
真ん中だけ尖らせたダークブラウンの短髪
美しく整ったポーカーフェイス
……2ヶ月前、私にプロポーズした幼なじみは
私を見て目を細めると、ふっと微笑んだ。
「ただいま、蘭」