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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
……お帰りって言ったんだから、ただいまって返されるのは普通だ。
それなのに
私のハートは勢いよく飛び出して
私の腰は砕けて崩れ落ちそうになるのはなぜだろう。
「……インターホン押して欲しかった」
スーツケースは入口に置いてきたのかな
海外用のビジネスカバンを持った葵を見上げて
浮ついた心をなんとか抑えて、平然を装ってみる。
「は? 俺の家だろ」
「……だって心の準備が…」
「こっち」
「……えっ?」
「来いよ、渡してぇものがある」
……やっぱり葵は葵だ。
出張から帰ってきて、こうして3週間ぶりに逢うというのに
彼はいつもの態度でスタスタとリビングに入っていく。
~~こっちは久しぶりの対面に心躍らせてるんですけど!
つーか渡したいものが何だって!?
「何よ帰ってきて早々に!
もうちょっと余韻に浸らせてくれたって…」
「土産買ってきた」
「……えっ?」
「今まではどこ行っても、買い物なんて行為に興味すら無かったけど
お前がいるから仕方無く」
「………!」
「全部、お前の為に」
……へっ?///