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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
……やられた。
ドキュンとド真ん中に入って、一瞬息が止まってしまった。
来月は30回めとなる私の誕生日。
20代も残り僅かとなった今、三十路なんてめでたくも何ともなかったけど
ふいうちの “ おめでとう ” に全身が痺れて、子供のようにはしゃぎ回りたい気分だ。
「これ、外していい?」
「ま、待って、自分で……///」
「いいから」
「………っ」
「大人しくしてろ」
葵が私を足の間に引き寄せる。
今両耳に付いている、一粒のパールピアス。
私の髪を耳の後ろにかけてから、葵の冷たい指がキャッチに触れた。
「………っ」
やばい、近い。
近過ぎる。
……この人、男なのに
目も、鼻も、唇も
至近距離で見るとひとつひとつのパーツが綺麗で
心臓がバクバクして直視できない。
触れられた耳の火照りが、顔にまで広がって……
~~っていやいや私!///
何恋する乙女みたいな感じになってるのよ!
イイ歳したアラサーでしょうが!