この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
「お、お嬢さんって……っ」
突っ込みどころ満載な単語がいくつも飛び出したけど
全てを取っ払ってそこだけに反応してしまった。
……頭の中いっぱいに
白いコートの似合う、小さくて可愛い彼女の姿が登場する。
「……なんでわざわざお休みの日に会うの?
仕事の一環?」
「……は?」
「営業事務も休日出勤しなきゃいけないなんて
どんだけ忙しいのよ総合商社!」
「いや、なに?」
「だってお嬢様といったら “ 佐伯お嬢様 ” しかいないじゃない!」
「………」
……その渇いた視線、やめてくれないかしら。
自称クールビューティーのはずの私が、これだけ声を荒げて身を乗り出す程に
事態は深刻であるってことが分からないの?
「……まず、相手は佐伯じゃない」
「………!」
「付け加えると佐伯はお嬢でも何でもねぇよ。
あいつ、意外と苦労して…」
「じゃ あ ど な た ?」
溜息を漏らした葵の言葉を、トゲトゲしく遮った。
……嫌な聞き方しちゃったけど。
関係が無いなら、佐伯さんの話なんて葵の口から聞きたくないのが本音。
「………」
……ふつふつと湧き上がる、醜い独占欲。
私って……