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rena's world story★a.n.r.r.y
第13章 お土産
……本来なら
最後の一言で私の心は晴れ渡るんだろうけど
残念ながら突如発生した暴風と豪雨は止みそうにない。
~~てゆーか!
いつもの半端なく鋭い洞察力はどうしたのよ!
これだけジェラシーで渦巻いてる私の心を読めないの!?
「………」
私の手を優しく包んだ葵を、じっと見つめた。
“ 俺が好きな女は、蘭しかいない ”
“ お前が今何を聞いてこようが、俺の答えはそれだけだ ”
……この悶絶キュン死の台詞は
数ヶ月前、葵の会社に押しかけた時
佐伯さんとのツーショットを見た私に、葵が言ってくれた言葉だ。
明らかに嫉妬してるって読み取ったからこそ、安心させてくれたわけだ。
……だけど今
目の前の本人に、再現してくれるような気配は一切感じられない。
……激しく揺さぶられる女心。
この男……ワザとやってるんじゃ……
「……ねぇ、葵」
絡まる指をスッと外して、私は低い声で葵を呼んだ。
「今から、葵が嫌がる程の
すごくウザイ質問をしてもいいかしら?」
「………!」
「質問というか、ドン引きする尋問に近いと思うけど」