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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
「………!」
椅子を回して向かい合った姫宮さんが、私を見るなり目を見開いた。
……そのギョッとした顔
確かおとといの夜、葵にも……
「……情緒不安定女……」
「……えっ?」
一瞬見せた表情をすぐに消して、はぁっと溜息をつくと
彼は私から視線を外した。
「俺はな、2回も慰めてやるほど優しくねぇし暇でもねぇんだよ」
「……はい?」
「そんな風に目を潤ませても、何も感じねぇから」
「………!」
「残念でした。サヨウナラ」
~~な、なにそれ!
目を潤ませる!?
そんなことしてませんけど!!
「ちょっと待ってください!」
再び立ち上がった姫宮さんの袖を引っ張った。
「慰めてほしいなんて言ってません!
そ、そんな媚びるような真似…」
「してるだろ。
泣けばなんとかしてくれると思ってるバカ女」
「~~やめて! そんなの私のイメージじゃ…」
「早坂、姫宮」
私達の会話を遮った、穏やかな声。
姫宮さんと同時に呼ばれた方へ振り返ると……
「う・る・さ・い」
「「………」」
「漫才するなら、屋上か休憩スペースに移動してください」
1番奥の席で不気味な笑みを浮かべたリーダーが、入口の方向を指さした。