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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
……魔王の晩餐会?
野郎だけの被害者の会?
全くもって意味が分からないけど、つまり今夜この人には予定があるということだ。
「……本当にすみません」
目の前に突きだされたローストブレンドを、おずおずと受け取る。
こうしてコーヒーを淹れてくれたってことは、少しだけなら時間をくれてやるって意味だろう。
「あの、待ち合わせとか、大丈夫…」
「定時できっかり上がるのは俺と夏輝だけだ。
残りの真面目な2人は毎回遅刻してきやがる」
「………?」
「違う、今回から3人か。
“ もう1人 ” 真面目が増えるんだった」
……何の、話?
共通点は無いはずなのに
2日前、ブツブツ呟いていた葵の姿とリンクするのは何故だろう。
ノンスイートのラテに、テーブルに置かれた角砂糖を入れる姫宮さん。
ブラックしか飲まない葵とは正反対の甘党だけど、やっぱりどこか似てる気がする。
「つーかお前、2ヶ月前にプロポーズされたんだから
悩むことなんて何もねぇだろ」
ボーッとしている私から少し離れて
紙カップを持った姫宮さんが、立ったまま壁に背中を付けた。
「 “ 2人で一緒に生きていこうよ ” 」
「………!」
「孤高のウルフに、抱腹絶倒な台詞を言わせたくせに」