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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
怒りマークを額に浮かべた姫宮さんに、冷たい目で見下ろされて
慌ててシャキッと背筋を伸ばした。
……ちょっと私。
いいかげん落ち着きなさいよ。
職場でこれだけの醜態を晒すって……
「……ごめんなさい」
「………!」
「正直に申し上げますと、幸せ過ぎて怖いのです。
だからちょっとしたことでも不安になってしまって……」
……違うって否定したものの
葵のことを好きな女性がいて、葵が好き過ぎて不安になるって
結局佐伯さんの時と同じパターンなんですけど……
「○○○船の社長令嬢?」
一通り説明を受けた姫宮さんにそう聞き返されて、コクリと頷く。
……まさにデジャヴ。
結局お悩み相談室と化してしまった。
「海外留学中の、若干ハタチだそうです」
「ふーん」
「しかもその一夜限りのお食事が、船上らしいのです」
「は? せんじょう?」
「……はい」
一気に暗くなった私を見て、姫宮さんの眉が寄る。
……自分の周りに鬼火が飛んでる気配を感じながら
もう一度コクリと頷いて、私は低い声で続けた。
「……イケメンエリートとお嬢様の
ワンナイトLoveクルーズです……!」