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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
“ 食ったら速攻切り上げてぇっつーのに、運航2時間半も拘束される ”
“ 見慣れた汚ねぇ海巡って橋眺めて、何が楽しいんだか ”
ベッドの中で呟く葵の愚痴が、意味不明過ぎて
根掘り葉掘り探った結果、予想だにしない衝撃事実が判明したのだ。
……名前も顔も知らない、大手海運業のご令嬢。
すでに貴方が恐ろしいです。
まさか陸から離れて、海の上に葵を連れ出すなんて!
もはや現代版・女海賊と呼んでも……
「~~ははっ」
「………!」
稲光と雷鳴が轟く中、突然姫宮さんが吹きだした。
すぐに私から顔を背けたけど、カップを握る手が僅かに振動してる。
……え? なに? なんで?
「……姫宮さん、何故お笑いになってるんですか?」
「あーお前、超ウケる」
「………!」
「なんだよワンナイトLoveクルーズって。
バカじゃねぇの」
「~~~!」
「いい歳してどんな妄想劇繰り広げてんだよ…」
「妄想じゃない!」
飲み終わったカップをグシャッと手の中で潰して
私は勢いよくソファから立ち上がった。
「ディナークルーズin東京湾!
今度の土曜夜7時、本当に出港されるんです!!」