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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
“ 爽やかな潮風を感じながら、極上のディナータイムを ”
葵のマンションを出て、速攻スマホで検索したホームページから
そんな魅力的なキャッチコピーが飛び込んできて
航路図からコースメニューまで、血眼になって調べるクールビューティーの私。
……都内に住んでいるのに知らなかった。
スカイツリー・お台場・レインボーブリッジなど、東京を代表する夜景を楽しめるという
大型レストラン船が東京湾を周遊していることを。
ヨーロッパ方面によくある豪華客船とは違う、数時間のクルーズだけど
500名近くの乗客が乗れて、ステージ付の大広間や個室、オープンデッキもある5階建の本格的なシップ。
……消そうとすればするほど
妄想癖の私の脳裏に、何度も繰り返し観た映画の名シーンが蘇る。
「……リアルに浮かんでくるのです。
船首の柵に足をかけて、両手を大きく広げるお嬢様の姿」
「………」
「背後からしっかり支える彼に促されて、目を開けると
そこには壮大な大海原が……!」
「……おい…」
「感動した彼女は声を震わせて言うのです!」
「………!!」
「 “ I’m flying. Aoi…(葵!私、空を飛んでいるわ…) 」
「~~目を覚ませドアホ!!」