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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
……彼が、リーダーや同僚達に話す時は
“ 嫁 ” か “ 奥サン ” のどちらかだったから
初めて聞いたかもしれないその名前呼び。
大したことじゃないのに、なぜか私の心臓がドキュンと貫かれた。
「おい、聞いてんのか?」
画面が通話中に切り替わったけど、反応がない携帯に向けて
姫宮さんが怪訝そうな顔をしてもう一度話しかけると
『はいっ! 美和です!』
「………!」
『もしもーしっ♪』
ザワザワと賑やかな音と一緒に
パッと花びらが舞い上がるような、明るい声がスピーカーから聞こえてきた。
「………!!」
わ~~間違いない!
香月さんだ!
久しぶりすぎる!
予想外の展開に、私の脳から葵が吹っ飛んでいった。
突然の状況に驚きつつも、その可愛い声で途端にテンションが上がる。
私より1年先輩の彼女。
退職されたのは去年の冬だから、約半年ぶりだ。
「……っ/// ひ、姫宮さん……」
ハンズフリーでこちらの声が聞こえてしまうから、思わず口を両手で押さえて
説明して!っていう視線を彼に送ると……