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rena's world story★a.n.r.r.y
第14章 理由:面白そうだから
すると、少ししてから
『……なに?』
優香さ~ん、と明るい香月さんとは対照的な
ツンと澄ましたような、女性の気だるい声が聞こえてきた。
『心配しなくても、ちゃんと終電までには帰すわよ。
相変わらず面倒な男ね』
な、なになに?
香月さんと姫宮さんの……お知り合い?
いや、知り合いってレベルじゃないよね。
香月さんのなんだ~に引き続き、姫宮さんを面倒な男と言えるなんて……!
「優香、仕事だ」
慣れたものなのか、姫宮さんはその嫌味をさらりと流して
私をチラッと見てから、再び携帯に視線を戻した。
「お前に頼みてぇことがある」
『強く断るわ。
どうせろくな話じゃない…』
「今度の土曜、夜7時。
東京湾クルーズ、2名で予約しといて」
「………!」
……え?
『東京湾クルーズ?』
「どの船とかどこから出港するとか
詳しいこと分かんねぇから、あとで詳細メールする」
『……は?』
……おそらく、電話の向こうで
優香さんという女性は大量のハテナマークを浮かべているに違いない。
…っていうか……
ワタクシとしても意味不明なんですけど……!!