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第14章 理由：面白そうだから

「ちょ、ちょっと姫宮さん…！」


思わず声が出てしまったけど、もう隠れてる場合じゃない。
東京湾クルーズ２名予約って……予約って！

……まさか……！


「～～何言い出してるんですか！ 無理ですよ！」

「なんで？」

「な、なんでって……」


葵が乗る豪華客船は、ロワイヤルなんとかっていうワンランク上のクルーズらしく
完全予約制で、誰でも気軽に乗船できるシップでは無いのだ。

HPの見取り図と写真が示す通り、船内はそれはそれは豪華で
専用サンデッキが付いている特別な貴賓室まであった。


「……個室に入られたら終わりだけど
実は私も、乗り込んでやろうかと……一瞬血迷ったことを企みました」

「………！」

「でも尾行なんて私のプライドが許さないし！
だいたいたった２時間半なのに、ぼったくりかってくらい高過ぎなんですよ！」


とてもじゃないけど、普通のOLの私には手が出ない。
１番高い料理コースなんて、１人３万もするし……

～～って私！
調べ過ぎなんだけど！
自分が怖い！