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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
地上200mの高層階から眺める、宝石のような光の粒。
……それでも
常にポーカーフェイスを保つ彼が
許してやってと、ほんの少し笑っただけで
夜景よりも眩い輝きが、彼の全身から溢れる気がする。
「……ありがとう、瀬名さん」
蓮に、戦友だって紹介してもらってから何年か経ったけど
なんだか、また一段と格好良くなったんじゃないかしら。
性格も含めてタイプの違う2人だけど、同期入社で部署も一緒。
カリスマ的なオーラも健在で変わらない。
「乱気流ですって」
「……は?」
「蓮が乗った飛行機、乱気流で離陸が遅れたんですって」
「…んだよ、それ先に言えっての」
「ふふっ、ごめんなさい」
遅刻の理由を聞いて、瀬名さんが溜息をついて煙草を取り出した。
店員さんからメニューを受け取って、彼に渡す。
「何か召し上がりますか?」
「いや、悪いけど1時間で切り上げたい。
終わったら会社に戻る」
「………!」
「蓮のいねぇ隙に、あいつの弱みを聞きてぇとこだけど。
時間が無いから始めるよ」