この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第15章 考えたこともない
「言っちゃいけねぇ理由でもあんの?」
「理由とかじゃなくて…」
「つーか自ら進んで話したわけじゃねぇよ。
話の流れで聞かれたから、答えただけ」
「………」
「ただの仕事だろ」
首を回しながらそう答えると、また蓮の顔が歪み始めた。
「瀬名、お前にとっては仕事の一環で
実際そうだとしても、彼女の立場からしたら困るだろ」
「困る?」
「困るっていうか、心配するよ普通…」
「なんで?」
「・・・ “ なんで? ” 」
俺の聞き返し方に疑問を持ったのか、同じ言葉を繰り返した蓮。
普通の会話をしてるつもりなのに、理解できねぇとでも言いたげな困惑の色を浮かべている。
「あいつは別に心配なんてしてねぇよ」
「……そんなわけ…」
「前にも言っただろ」
佐伯の一件があったのと
社長令嬢って肩書きに反応したから、色々聞いてきただけであって
そもそも、蘭が困るなんてありえねぇ。
「俺の方が数千倍、蘭を強く想ってるんだ。
自分でも計り知れねぇくらい」
「………!」
「別に俺がどんな相手と会おうと
行ってらっしゃい程度にしか捉えられてねぇよ」