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rena's world story★a.n.r.r.y
第15章 考えたこともない
「………」
……この流れ、また説教?
なぜか蓮が沈黙しちまったこの空気が、2ヶ月前の社食を思い出させる。
また鈍感とかなんとか言うんじゃねぇだろうな……
「蓮、何か言いたいことがあるなら…」
「なんで、自分の方が気持ちが大きいって思うの?」
「………!」
「片想いしていた期間が長いから?」
穏やかな声で、蓮がふいにそんなことを聞き出した。
「俺、前にも瀬名に言っただろ。
きっと彼女も同じくらい瀬名を想ってるって」
「………」
「直接会って聞いたわけじゃないけど、間違ってないと思う。
……それでも、瀬名がそう言いきるのはどうして?」
期間は関係ないよ、と付け加えた蓮が優しく笑う。
「………」
……俺にとって、蘭は生きる意味になっている。
蘭を愛する想いが揺らぐことは無い。
それが何故かと聞かれても……
「── 考えたこともねぇな」
「………!」
「過去が積み重なってそうなってるんだろうけど
……直接的な理由なんて、思いつかない」