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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
「か、香月さん、お久しぶりです」
状況整理の前に、会えた嬉しさの方が勝ってしまって
2席しかない手前の椅子に座る、彼女の元へと駆け寄った。
私が求める理想の女性像とは、逆のタイプだけど
ひとつ歳上とは思えない可愛すぎる香月さん。
誰にでも笑顔で応対する彼女のことは、入社同時から好きだった。
「相変わらず綺麗だね、早坂さん」
「そんな……っていうか、あの、今日は…」
「ふふふ、ヒメから聞いてるよ♪」
「………!」
「 “ スパイ大作戦 ” でしょ?
私、昨日楽しみでなかなか寝付けなかったよ~」
……スパイ大作戦?
「……今なんて言っ…」
「優香さんが “ 裏 ” から調べたら、貴賓室っていう個室は予約されてなかったんだって」
「……へっ!?」
「だからきっとお嬢様も、私達と同じメインフロアで食事すると思うの」
「………」
船内の見取図は、予習した私の頭の中で完璧に再現できるから
貴賓室もメインフロアも分かるんだけど……
……う、裏って……?
「あ、大丈夫だよ。
誰にも言ってないから」
固まる私に気付いて、香月さんが人差し指を口に当てた。
「極秘任務だもんね♡」