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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
照れながら頬を染める香月さんに、私の胸はキュンと締めつけられる。
2人の髪色ってアッシュブラウンをベースとしながらも、季節毎に旬なカラーに変わっていたんだっけ。
なんかいいなぁ。
お揃いのカップルなんてダサイと思ってたけど、この夫婦だと素直に羨ましいって思うから不思議……
~~っていやいや、そうじゃなくて!
「待ってください。それじゃ姫宮さんも…」
「うん、だって変装しなきゃだし。
さっきまでここのオーナーさんと盛り上がってたよ♪」
「~~へ、変装って本気で…」
「あれ、そういえばヒメは?
裏口から2階に行ったのかな…」
香月さんが周りを見渡した、その時
「あら、来たのね」
ふわっと柔らかい声が、どこからか聞こえてきた。
「5分前に、メイクとスタイリストが着いたから丁度良かった」
「………!」
「貴方はウィッグだから、すぐに始められるわね」
店の奥に、ウッドとスチールで拵えた螺旋階段があって
ゆっくりとした足取りで、その女性が降りてくる。
この声は、確か……
“ 庶民の俺達には無い、怖~いコネを持ってんだよ。
な、優香 ”
“ ……姫宮くん、私はダフ屋じゃないのよ ”