この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
* * *
……自分が持っている中で、1番高い服を着てきたけど
ここに来て意味が無かった事にようやく気付いた私。
美容師の夫婦が営むというプライベートサロンは、2階建てになっていて
姫宮さんと入れ替わるように階段を上がると、そこはまるで衣装部屋のように沢山の衣類で溢れていた。
……アパレルに携わる身としては、かなりテンションが上がる。
「半分は麗子と優香の私物なんだけど。
撮影用に使うものもかき集めて持ってきちゃったわ」
ズラッとハンガーに並んだ服を見て笑うのは、この日の為に呼び出されたという本職のスタイリストさん。
初耳だけど姫宮さんにはお姉様がいるらしくて、1階にいる優香さんも彼女と共通の友人らしい。
……ていうか今、レイコって言わなかった?
モデルのREIKO……ってそんなわけないか。
「勝負服は、自分が好きなものを着るに限る」
「………!」
「髪とメイクで充分変身できるから。
首から下は、あなたらしくクールに決めましょ」
そう言ってスタイリストさんが手に取ったのは
裾サイドにスリットが入った、シャープなシルエットの膝丈ワンピース。
細かいラメの入ったワインレッドに、一瞬で心を奪われた。