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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
私の斜め右で
スタイリストの彼女が、スマホのカメラでシャッターを連打する。
私の斜め左で
メークアップアーティストの彼が、降参ポーズをとって苦笑いを浮かべる。
……1階から上って来て、近付いてくる姫宮さん。
あなた今、私を見てマジで変わりやがったって言いましたけど
~~~こっちの台詞ですから!!
「~~く、黒髪……!!」
思わずそう叫んだ私。
ここが漫画の世界だったら、間違いなく鼻血を吹き出して出血多量で死んでいただろう。
「ひ、ひめ、姫みゃさん、黒が、髪く……」
「……あ?」
「きゅ、究極のツーブロック×オールバック……!!」
「………」
二次元のキャラクターと対面したような、腐女子並みのハイテンション。
そんな私を彼は渇いた目で見てくるけど、この興奮をなんと説明したらいいのだろうか。
もはや代名詞となったゆるふわヘアスタイルは封印されて
艶のある黒髪を、ビシッと固めて後ろに流したオールバック。
アップされた前髪は、わざと少しだけ崩して額の前で揺れていて
……それだけなのに、溢れんばかりの色気が放出されている。
「か、神……」
この人に似合わない髪型も髪色も、この世には存在しないのかもしれない……