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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
「就活の時も戻さなかったから、中学以来だな」
飛び上がって立ち尽くす私の横に並んで、鏡を見る姫宮さん。
オックスフォードシャツに、ノーカラーのジャケット。
オールブラックのハイファッションは、彼だから着こなせるんだろうけど
髪色ひとつでこれだけクラシカルな雰囲気に化ける相棒……そのままバケモノと言わざるを得ない。
これでサングラスでもしたら絶対に彼だとは分からないと思う。
いかにも変装といった、下手な被り物をするよりも別人に感じさせるから不思議。
「ひ、姫宮さん……
超絶素敵ですけど、ファンの皆様に怒られますよ…」
「1日限定だから」
「……へっ!?」
「美和も同じ。
持ってる服が合わなくなるし、終わったら戻す」
シャンプーで洗えば落ちるカラー剤だと説明されて
ホッとしたような残念なような複雑な気分に陥った。
……なんだろう、ドキドキが止まらない。
前もそうだったけど、一瞬彼氏の存在を忘れそうになるから困る。
なんて、大抵その後に葵が100倍返しで私の心を奪うんだけど……