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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了

* * *


楽しもうぜと片目を瞑った相棒の色気に、軽い眩暈さえ起きる始末。


盛大にバックアップすると彼女が言った通り
サロンを出た私と姫宮さんを待っていたのは、黒塗りの高級セダン。

まるでタクシーのように平然と乗る姫宮さんに、度肝を抜かれつつ
9センチヒールを履いた足を何とか動かして、私も続いて車に乗った。


「……6時半」


赤く空を染めていた夕焼けが、だんだんと暗くなって
車窓から流れるビル群の灯が輝き始める。

……その夜景に連動するように、ドキドキの音が全身に伝わっていく。


「あの辺りで停めて」


首都高環状線の下を抜けて、海岸通りを走る車。
左側に有名な吊り橋が見えたと同時に、姫宮さんが運転手にそう告げた。

長い足を組んで、携帯を操作するこの人は相変わらず一定のテンションだけど


……やばい。

バッチリ見えてしまった。
桟橋の向こう側に、本当に船が停泊してる。

全長86.5m
全幅13.5m
乗客定員MAX600名

完璧な下調べによって、あれが私達を乗せるシップだという事が分かってしまう。


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