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rena's world story★a.n.r.r.y
第16章 ミッション終了
……船内には既に仲間2人が潜入済み。
柱の陰に隠れて、私達は外側で待機って……
そうか、私は英国の貴族ではなかった。
スパイと見せ掛けて実は国家公務員だったのだ。
姫宮さんがベージュのトレンチコートを着て、私がアンパンを持って駆け寄る姿が脳裏を駆け巡る。
「でも警部、潜入部隊はホシの顔を知りませんよね?」
「………」
「これだけ多くの人混みからどうやって捕まえ…」
「せめてFBIにしてくれ。かっこつかねぇから」
「え?」
「事前にSuspectの顔を教えてるっつーの」
葵を意味不明な容疑者に仕立て上げた上、私の妄想に合わせてくれる優しい相棒。
……事前に教えてある?
「どうやってですか?」
「前に飲んだ時の、蓮と3人で撮った写メを送ってある」
「……へっ!?」
「絶対に見逃さない自信があるって、興奮した美和が断言しやがった。
……あいつ、俺の顔が1番だとか言ってたくせに」
舌打ちした姫宮さんが、手に持った携帯をポケットにしまう。
……単なる飲み会で、しかも男同士で記念撮影って男子高校生ですか?
でもそのスリーショット、喉から手が出るくらい欲しいんですけど……!