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rena's world story★a.n.r.r.y
第17章 いらねぇよ
「私、そんな酷いことしないわ。
まだ勉学中の身だし、潰すなんて力は持ってない…」
「こう見えても意外と顔が広くて
興味のねぇ情報が嫌でも入ってくるんだよ」
「………!」
「自分で言うのはなんだけど
収集した材料を吟味して、分析するのが得意」
速攻で笑みが消えたその顔に向けて、俺は逆に口角を上げて見せた。
「同僚や友人、彼女にもよく言われるんだ。
真っ白で純粋な女心が分からない……俺はかなり残念な男らしい」
「……残念な、男?」
「だけど悲しいことに
卑怯な手を使い仮面を被る女は、簡単に見抜く事が出来る」
「………」
「女に限った話じゃねぇけどな」
……とはいえ、俺だってある程度のマナーは兼ね備えている。
相手が自爆するように仕掛けるだけで、それまでは表面的に取り繕うし
10歳も年下の女で、さらに系列グループの社長令嬢とあれば
それこそ最大限気を遣って優しく接してやるのが本来の遣り方だ。
……だけど
“ 瀬名、気を付けろ ”
この場所に来るまでの半日の間に、調べて分かった事実によって
任務どうこう以前に、この女を突き放したいという感情が自然と生まれた。