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rena's world story★a.n.r.r.y
第17章 いらねぇよ
「何を仰ってるのかサッパリ……と言いたいところだけど」
令嬢は咳払いをして、俺から視線を外した。
「色んな意味で怖いわ。どこまで調べたの?」
「言っただろ。
張り巡らせた情報網が優秀なんだよ」
「……CIA並みね」
「あんたが嫌がらせの常習犯ってことは、業界では結構有名な話らしいな。
それも不特定に、無差別に」
腐るほど金があり、将来を約束された地位を持つ恵まれた環境。
蘭の足元にも及ばねぇが、この整った容姿を武器にして
庶民には分からない遊びでしか快感を得られねぇのだろう。
別にこの女がどこで何をしようとどうでもいいが
……それが、自分にとって特別な奴らなら話が別だ。
「結婚式に駆けつけた、招待状を持っていない “ 本物 ” のファン達は
最後は全員が2人を祝福して帰っていった」
「………!」
「お前が仕込んだストーカーもそうだけど
結局は皆あの夫婦の人柄に惚れちまって、幸せを願わずにはいられなくなるんだよ」
“ 瀬名さん、あなたの恋心を……どうか消さないで
……私、祈ってますから ”
……彼女が願ってくれた未来が、今ここにある。
「蓮にとって大切な人は、俺も同じだ」
「………!」
「だからもし、また彼女を傷付ける何かが起きるとしたら
……その前に、俺が徹底的に潰してやる」