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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
……姫宮さん
最後の最後で、貴方は何てことをしてくれたんですか。
「お隣り宜しいですか、エリザベス」
「………!!」
「気まぐれなキャプテンスパ○ウの命令で、交代だ」
……姫宮さんが出て行ってから、葵が此処に来るまで
時間としては5分も経っていないはずなのに
そ、その呼び方……こんな短時間で一体何をどこまで話したの……!?
「………っ」
心臓が飛び出そうな程の衝撃で、パクパクするだけで言葉にならない。
固まる私の隣り、姫宮さんが居た位置に葵が座った。
「ここをリザーブした、あの優香って女。
解体前の金融財閥・本家の大富豪だぜ」
「………!」
「お前すげーな。
どーやってあんな超お嬢様を動かしたわけ?」
そう言って笑う葵が私の前に差し出したのは、フルーツ入りのシャンパングラス。
……動かしたのは、姫宮さんであって
優香さんがどんな人なのかも知らなかった私は、凄くも何ともない。
……いつもよりハードにセットしたアップバンクショート。
スモーキーカラーのブロードシャツから、ネクタイは外されていて
スパークリングの揺れる向こう側に映る彼は……間違いなく葵だ。