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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
「嬉しい?」
ハッと我に帰ると、煙草を咥えた葵が私を見ていた。
や、やば……っ
私今絶対にアホ面してた……!
「べ、別に?
葵の答え方に私がどうこう言える立場じゃないし…」
「心配した?」
「……っ してない…」
「俺はすっげー心配だった」
……えっ!?
なんですって!?
「元チャラ男が黒髪の紳士に化けて
人の女の前で完璧なエスコートしやがるから」
「………!」
「一瞬でも蘭に触れたら
カトラリーを全部ダーツ代わりにして飛ばして、頭にブッ刺してやろうと思ってた」
「~~~!」
「あいつも引くほどオーラ持ってるから。
見なくても背中で感じてたんだよ」
さ、さらっと怖いこと言ってますけど……!
ダラダラ汗が止まらない私を、横目でチラッと見ると
葵は口角を上げて煙草の煙を浮かべた。
「……けど
ここに来る前に、セレブと嫁に頭下げられて」
「………!」
「 “ バカが付く程お人好しで、仲間を放っておけないタイプなんです。
究極のアホだと思って許してやってください ” って。
2人とも酔ってて、全然呂律回ってなかったけどな」
「………っ」
「旦那をバカアホって……はは、どんだけだよ」