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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
「はは、重い?」
「………!」
白い歯を見せる葵。
その言葉にびっくりして、慌てて首を横に振った。
重いだなんて……そんなこと絶対に思わな…
「誰かさんがずっと夢見る少女だったせいで
結局そこから更に2年もかかったけどな」
「………!!」
「あのBARでお前が白馬の王子なんてぶっ飛んだ話をしなけりゃ
俺は今でもバーチャル佐伯の彼氏だったってわけだ」
さぁっと血の気が引く私を見て、葵は楽しそうに笑う。
「 “ 幼なじみじゃなかったら、逆プロポーズして結婚してたのに ”
“ 他人だったらよかった ” 」
「~~~!!」
「抵抗する隙も、白旗を振る暇もくれず
“ あなたと恋愛はできないわ。葵をそんな風には見れない ” 」
「~~~っ」
「血だらけでしたよ俺は。
ダウンせずによく耐え抜いたと思わねぇ?」
葵の一言一言が、痛すぎる私の過去をグサグサと刺してくる。
……ほんと、どんだけお花畑な女だったの私……
「……本当にごめんなさい」
ちょっと涙目になりながら、小さな声でそう告げると
葵は満足そうに笑って、もうひとつの私の手を取った。
……その笑顔に、また胸がドキドキと高鳴っていく。