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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
「……葵、知ってるでしょ」
込み上げる熱い想いを、必死に隠して
私も葵と同じように足を組んで、髪をかき分けた。
「貴方に一生結婚できねぇなと言われただけあって
捻くれて性格の悪い私は、友達が異常に少ないの」
「………!」
「披露宴は最初からするつもりないわ。
そもそもゲストにお金をかける気なんて無いし、それより何より自分を飾りたい」
……招待客をもてなし、感謝を伝える場だということは分かってる。
でも、ぶっちゃけると料理や引き出物をワンランク上げるより
エステの回数を増やしたり、ドレスのオプションに予算を回したいのが本音。
私のドン引き発言で、葵が顔を上げた。
「最初から海外挙式に的を絞って
今は、古城で挙式ができるイタリアかビーチリゾートのフィジーで迷ってる」
「………」
「私の好きなとこでいいって。
なんでも叶えてくれるって言ったわよね?」
ツンと澄まして、わざと気だるい空気を作ってそう聞くと
「………!」
渇いた目で見られると思ったのに、葵はふっと目尻を下げた。
……ちょっと。
その笑顔、反則なんですけど。
予想してなかった葵の頬笑みに、ドキドキが増していく。